リアル人生ゲーム(裏)


「俺には光莉が必要なんだ!」


気づけば私は、抱きしめられていた。


ううん、それも違う。


きつく抱きしめられているようで、亮平はすがっているだけだ。


私という藁(わら)を掴み、溺れまいとしている。


とても甘えたで、弱いところがあった。


それを私は、可愛いと思っていたんだ。


「なぁ、頼むよ。また2人でやってこう」


お互い、1人になってしまったんだからさ、と後に続く言葉が聞こえるようだった。


そう、実質もう2人だ。


ゲームが始まれば4人だが、未知瑠も友美も現実世界では存在しないに等しい。


私と亮平、たった2人。


たった、2人なんだ__。


そう気づいた時、やっと涙が流れた。


今度は私が、亮平の腕にしがみつく。


そうしないと、溺れてしまう。


底がない悲しみの沼にのまれ、2度と戻ってこれないから。


私は、声を上げて泣いた。


そんな私を、亮平が受け止めてくれた。


もう私たちには、お互いしか居ない。


「光莉、俺が守るから」


「__うん」


小さく頷く。


この悲しみを、分け与えるために。


それでも私は、ずっと泣き続けた。


いつまでも。


いつまでも。


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