リアル人生ゲーム(裏)
亮平はアイテムの【ダーツ】を持っていた。
その場合、サイコロではなく丸い的に向かってダーツを投げ、刺さった目を進むことになる。
サイコロを投げるよりは、狙った目を当てることができるんだ。
「よし、じゃ【ダーツ】を使う」
亮平が宣言すると、悪魔が準備に取り掛かった。
すべては、亮平の投げるダーツにかかっている。
もし③に刺されば__。
「はい、できたよ」と、そこそこ遠い距離で的が設置された。
彰はダーツが得意だったから1発で命中させたが、あの距離じゃ難しいかもしれない。
チャンスは1度。
果たして亮平は③を当てることが__?
「おい、あれって?」
ダーツを持った亮平が、私を振り返る。
一体、どうして__?
私は、悪魔と目が合った。
なにを考えているのか、さらさら分からない。
いや、それとも分かっているのか?
彰の時は①から⑥まで均等に分けられていた。
それがどういうわけか__的の7割が③だ。
これなら亮平だって当てられるはず。
すーっと深呼吸をした亮平が、真っ直ぐダーツを投げる。
「__やった!」
見事③に刺さり、未知瑠と友美が肩から力を抜いたのが分かった。
ガッツポーズをしながら、亮平が3マス進む。
マス目がめくれ上がる。
ゴールに向かって__。