リアル人生ゲーム(裏)


「な、なんだよ⁉︎これ」


後ろに退がるのを、亮平は力を入れて抵抗している。


けれど、マス目の命令には逆らえない。


後ろ向きのまま、元のマス目に戻った。


「心配しなくてもいいよ、行き来するのは1ターンにつき1回だけだから」


「はっ?それはどういう__?」


「君はもうサイコロを投げる必要はないってこと。1ゲームにつき4マス進んで10kg痩せ、また4マス戻るんだ」


「へんな冗談やめろって」


「冗談じゃないよ。それは【ループ】っていうんだ。その目を踏んだ君の運が悪かっただけ」


悪魔の説明に、亮平が私を振り返る。


その顔は怒りに歪んでいた。


「光莉__お前、わざと?」


「ごめん、見間違いだったみたい」


軽く謝ったが「お前、どういうつもりだ⁉︎」と許してくれそうもない。


そもそも、許してもらうつもりもないが。


亮平がわめき散らす中、友美がサイコロを投げて進む。


先頭の未知瑠と同じマス目だ。


だが、2人の目の前には炎がゆらめいている。


次のゲームで、確実に動きがあるだろう。


できることなら、なにかアイテムが欲しい。ゴールするのに有利なアイテムを手に入れたいが、宝箱はもうどこにもない。


私が出した目は①だった。


一歩だけ進む。


ここにきて、マス目がめくれ上がり、思わず舌打ちしてしまったが__?


マス目が金色に光り輝いたんだ。


< 227 / 265 >

この作品をシェア

pagetop