リアル人生ゲーム(裏)
「な、なんだよ⁉︎これ」
後ろに退がるのを、亮平は力を入れて抵抗している。
けれど、マス目の命令には逆らえない。
後ろ向きのまま、元のマス目に戻った。
「心配しなくてもいいよ、行き来するのは1ターンにつき1回だけだから」
「はっ?それはどういう__?」
「君はもうサイコロを投げる必要はないってこと。1ゲームにつき4マス進んで10kg痩せ、また4マス戻るんだ」
「へんな冗談やめろって」
「冗談じゃないよ。それは【ループ】っていうんだ。その目を踏んだ君の運が悪かっただけ」
悪魔の説明に、亮平が私を振り返る。
その顔は怒りに歪んでいた。
「光莉__お前、わざと?」
「ごめん、見間違いだったみたい」
軽く謝ったが「お前、どういうつもりだ⁉︎」と許してくれそうもない。
そもそも、許してもらうつもりもないが。
亮平がわめき散らす中、友美がサイコロを投げて進む。
先頭の未知瑠と同じマス目だ。
だが、2人の目の前には炎がゆらめいている。
次のゲームで、確実に動きがあるだろう。
できることなら、なにかアイテムが欲しい。ゴールするのに有利なアイテムを手に入れたいが、宝箱はもうどこにもない。
私が出した目は①だった。
一歩だけ進む。
ここにきて、マス目がめくれ上がり、思わず舌打ちしてしまったが__?
マス目が金色に光り輝いたんだ。