リアル人生ゲーム(裏)
やや気まずそうに、未知瑠が3マス戻る。
ふーっと、ボード全体が息をついた。
次は亮平だが、サイコロを振ることはない。
4マス進み、再び【10kg痩せて4マス戻る】を引き当てて元の場所に戻った。
今回は抵抗することなく、素直に従う。
それはきっと、私がアイテムを使うと思っているからだろう。
私が持つ【金のサイコロ】を使うと。
けれど、全ての炎を飛び越すには【ゾロ目】を出さないといけない。
サイコロを2つ投げ、中途半端に④と⑤でも出せば、⑨進んで炎に焼かれてしまう。
私にとっても、リスクは大きい。
一か八かだ。
次は彰の番だ。
私が代わりにサイコロを投げた。
続いて由佳の分も、サイコロを投げる。
「結局、君は【爆弾】を使わないのかい?せっかくのレアアイテムなのに」
悪魔の言葉におし黙るのは、友美だった。
確かにあれだけ「使う」と息巻いていたのに。
「爆弾爆弾」と、私たちを脅して犬扱いしていたが、やっぱり使う勇気がないに違いない。
けれど、目の前には炎が待ち受けている。
③を出せばアウトだ。
友美は前に進むしかない。
でも今、目の前で未知瑠が③を出した。
リターンを使って戻らなければ、由佳のように灰になっていただろう。
こればっかりは、私も助けられない。
③以外を出すよう、祈るくらいしか__。
そして友美が、サイコロを投げた。