リアル人生ゲーム(裏)
「よしっ‼︎」
嬉しそうな声を出し、炎を通り抜けて6マス進む。
進んだところで、目の前には炎の列ができておりゴールするのは不可能だが、とりあえずは由佳みたいに焼き殺されなくてすむ。
「別に【爆弾】使っても良かったんだけど」
と、振り返って私に減らず口を叩く。
でも、友美は知らない。
ゴール前のマス目は、炎か、そうじゃないなら必ず何かが起きることを__。
6マス目を踏んだ瞬間、マス目の角が浮かび上がった。
「えっ⁉︎」
友美が絶句するのも無理はない。
何かが起きるが、その何かはほぼ決まっている。
私はアイテムの双眼鏡でそれを確かめていた。
ゴールできないよう、少しでもゴールから遠ざけるように出来ている。
つまり、弾き飛ばされるんだ。
いや、飛ばされるならまだいい。
そこからまたサイコロを投げて進めばいいんだから。
【3マス戻る】
「うそっ、だって、だって__」
友美が振り返る。
3マス戻った先には、炎が両手を広げて迎え入れようとしていた。
絶望に貫かれた、友美のことを。
「ざんねーん。焼かれちゃうねー」
悪魔は上機嫌だ。
きっと悪魔は、ゴールを死守する守護神でもある。
また1人、地獄に葬り去ることができて喜んでいるのだろう。