リアル人生ゲーム(裏)
「いやっ、やめて!」
いくら抵抗しようが、ムダだ。
体を後ろに引きずられるように、1マス戻る。
もう2マス戻れば、炎に焼き尽くされるだろう。
かといって【爆弾】を使う勇気もない。
結局のところ、友美はなんの覚悟もない。
ただイジメられ、立場が逆転すると、その力を誇示してやり返していただけ。
もう、どうすることもできない。
「だ、誰か助けて!」
友美は涙を流し、必死の形相で助けを求めてくる。
あれだけ散々、爆弾を盾に私たちを犬扱いしておいて、調子がいいことこの上ない。
そして友美の右足の踵(かかと)が、炎に触れる。
「あっ、熱い‼︎」
苦痛に歪む顔をしばらく眺めていた私は、悪魔に向かって尋ねた。
「アイテムを個人的に、相手に譲ることはできるの?」
と。
すると悪魔は「__できるよ」とだけ答え、私を見つめる。
まるで、私の心を見透かしたように。
「あづぃいいー!」
いよいよ友美が炎に抱きしめられたその時、私は待ったをかけた。
「助けてあげる」
「ええっ⁉︎」
「助けてあげるって言ったの」
そう言うと、ただでさえ見開かれた友美の目が、さらに大きくなった。
「その代わり__」