リアル人生ゲーム(裏)
マス目の先に、ぱかっと開ける感じの宝箱があった。
「あれかい?あれは【宝箱】さ。中には宝が入っているよ」
「宝が⁉︎」
俄然、やる気が出てきた。
宝箱までのマス目を数える__⑤だ。⑤を出せば宝が手に入る。
「光莉、がんば‼︎」
後ろの未知瑠の声援を胸に、私はサイコロを放った。
頼む!
⑤、⑤、⑤、⑤を出して‼︎
コロコロと跳ねながら転がっていくサイコロに念を送る。
ゆっくりと傾いていくサイコロが__⑤で止まった。
「光莉、凄い‼︎」
手を叩いて喜んでいる未知瑠。
前に居た友美も、遠慮がちに手を叩いている。
「お前、スゲーな!」
亮平と彰も笑っていた。
1人、板垣康介だけはふて腐れていたが。
いそいそとマス目を進み、大きな宝箱の前に屈んだ。
「鍵はかかってないよ」
天使の言う通り、そっと手をかけて宝箱を開ける。
きらりと溢れ出てくる、光たち。
フタを完全に開けると、中に入っていたのは__?
「なにこれ?」
予想外のものが入っている。
「宝箱には【カード】か【アイテム】が入っているよ。それらを使って、ゲームを有利に進められるんだ」
私が手に入れた宝は【カード】だった。