リアル人生ゲーム(裏)
カードには【チェンジ】と書いてある。
「それは【チェンジ】のカードだよ。他の参加者とマス目をチェンジすることができるんだ。マス目だけじゃなく、その時に発生したイベントも入れ替わることができる」
「ふーん」
天使の説明に、適当に頷いた。
てっきり、宝箱の中には財宝が入っているものとばかり思ったが、そう甘くはないらしい。
「じゃ、私!」
未知瑠が張り切ってサイコロを振ったが、出た目は⑤で何も起こらない。
頬を膨らませて怒っている。
次にサイコロを投げた亮平は④だった。
「おっ」と、4つ目のマスに足を踏み入れた時、角がめくれ上がった。
出てきた文字は【レギュラーに選ばれる】だ。
「えっ、マジで⁉︎」
亮平はラグビー部だった。
うちの高校はラグビーが強く、鳴り物入りで入ったが、まだ雑用しかさせてもらえないらしい。
「これ、マジで現実で起きるのか?マジかよ」
信じられないという顔だが、頬がゆるんでいる。
続いて彰が⑥を出し、未知瑠と並ぶ。
やはりマス目に変化はない。
「僕はこんなこと、認めない。こんな非現実的なことが起きるわけがないんだ」
未だに信じていない板垣が、乱暴にサイコロを投げた。
①だ。