リアル人生ゲーム(裏)
見事④が出た。
初めて狙った通りの目が出た未知瑠は、軽い足取りで宝箱に向かう。
「いぇーい‼︎」
嬉しそうに宝箱を開ける。
これまではカードしか出たことがなかった。
しかし、未知瑠が取り出したのはカードではない。
「なにこれ?望遠鏡?」
「違うよ、それは双眼鏡さ。それを使えば、1度だけ全てのマス目が透けて見えるよ」
「えっ?見えるの?」
「そう、1度だけね」
「1度だけかぁ。どうしようかなー?」
そう言いつつも、未知瑠は使ってみたくてうずうずしている様子。
「使いまーす!」
高々に宣言し、双眼鏡を覗いた。
ゆっくりとマス目を辿って動いていく。
今、未知瑠の目にはマス目が透けて見えている。
マス目の下に隠された【幸せ】がどんなものか、自分だけが知ることができるんだ。
双眼鏡の先がどんどんゴールに向かう、その時。
びくり‼︎と止まった。
「えっ、うそでしょ?」
未知瑠は甲高い声を上げ、固まった。
それくらい驚くことが、マス目に書かれてあるということか?
「未知瑠、なにが見えたの?」
「な、なにって、凄いよ、あれはとびきりのやつだよ!」
「なに?なんなの⁉︎」
食い気味に尋ねると、ようやく双眼鏡を下ろした未知瑠が私に言ったんだ。