リアル人生ゲーム(裏)


私⁉︎


確かに私は【サイコロ】をもう1つ持っている。


15マス戻れば、3億円を狙える。


3億円の手前は【◯マス進む】というマス目で埋まっているが、⑥以上を出せばそれらを踏まなくていい可能性があるからだ。


でも、それには私に順番が回ってこないといけない。


板垣と友美の2人が、ゴールをしないで私にサイコロを回すには、2人は①を出すしかない。


そんな無謀なこと__。


「私は、大丈夫」


友美が、小声ではあるがしっかりした口調で言った。


「大丈夫って?」


「私は【プレゼント】があるから」


そう言って、小さな箱を取り出す。その箱にはリボンが巻かれてあった。


友美が手に入れたアイテムの【プレゼント】だ。


これは、自分の順番を誰かに譲ることができる。


つまり、友美が投げるサイコロを__私が投げるというわけか?


それなら、私にも順番が回ってくる。


板垣が①を出したのなら。


「ぼ、僕?」


「そうだ、お前次第ってわけだ」


彰が脅しをかける。


「あんたが①を出さなきゃ、もうなにもかも終わりってわけよ」


未知瑠もプレッシャーをかける。


完全に面白がっているが、板垣はがちがちに緊張していく。


すべては、こいつにかかっている。


板垣がサイコロを、放り投げた。


出た目は①だった。


< 57 / 265 >

この作品をシェア

pagetop