リアル人生ゲーム(裏)
私⁉︎
確かに私は【サイコロ】をもう1つ持っている。
15マス戻れば、3億円を狙える。
3億円の手前は【◯マス進む】というマス目で埋まっているが、⑥以上を出せばそれらを踏まなくていい可能性があるからだ。
でも、それには私に順番が回ってこないといけない。
板垣と友美の2人が、ゴールをしないで私にサイコロを回すには、2人は①を出すしかない。
そんな無謀なこと__。
「私は、大丈夫」
友美が、小声ではあるがしっかりした口調で言った。
「大丈夫って?」
「私は【プレゼント】があるから」
そう言って、小さな箱を取り出す。その箱にはリボンが巻かれてあった。
友美が手に入れたアイテムの【プレゼント】だ。
これは、自分の順番を誰かに譲ることができる。
つまり、友美が投げるサイコロを__私が投げるというわけか?
それなら、私にも順番が回ってくる。
板垣が①を出したのなら。
「ぼ、僕?」
「そうだ、お前次第ってわけだ」
彰が脅しをかける。
「あんたが①を出さなきゃ、もうなにもかも終わりってわけよ」
未知瑠もプレッシャーをかける。
完全に面白がっているが、板垣はがちがちに緊張していく。
すべては、こいつにかかっている。
板垣がサイコロを、放り投げた。
出た目は①だった。