リアル人生ゲーム(裏)
「やるじゃん‼︎」
未知瑠が抱きつき、彰と亮平がべしべしと容赦なく板垣を叩いている。
「やめろよ!」と顔をしかめてはいるが、どこか嬉しそうだ。
真面目で融通のきかないクラス委員には、これまで誰も寄り付かなかった。
それがここまで仲良くなるなんて。
板垣が順番のバトンを、友美に回す。
「アイテムの【プレゼント】使います」
「誰にー?」
天使の言葉に、友美が俯いた。
「あの、えっと、あ__ひ、光莉に」
恥ずかしそうにそう言って、私にプレゼントをくれた。
天使からサイコロを受け取る。
これは、みんなの思いが詰まったサイコロだ。
未知瑠が15マス戻れることを思い出し、亮平がパスをし、彰がダーツで狙い通りの目を当て、板垣がゴールしないよう①を出し、友美がプレゼントをくれた。
「アイテムの【サイコロ】を使う」
もう1つ、サイコロを手にした。
3億円までは11マス。
12でもダメだ。
ぴったり11を出すには、⑤と⑥を出さないといけない。
それはとても難しいことで__。
「光莉!頑張って!」
「出したらデートだ!」
「お前ならできる!」
「僕の奇跡を無駄にするな!」
「が、頑張って!」
みんなが応援してくれている。
やるしかない。
私ならできる。
だって私は、サイコロの達人なんだから。