リアル人生ゲーム(裏)
そう、クリアと書いてある。
けれど、私たちはなにかを【クリア】したか?
何もしなくても、マス目に止まったことがそのまま現実に起きる。
ただそれだけだ。
現実に叶えるために、課題をクリアしなければいけないことなんか、一度もなかったけど__?
「まぁ、どっちでもいっか」
説明書を箱の中にしまう。
もうゲームは終わったんだから、考えたって仕方がないことだ。
私たちはリアル人生ゲームで、いっぱいの幸せを貰った。
その1番となるのが、3億円の宝くじ当選券だ。
1人頭、5000万円。
これだけあれば、いっぱい遊べるだろう。
亮平と旅行でも行こうかなー。
それか、みんなと行ってもいいな。
ゲームの思い出話なんかしながら、海外もいい。
友美も板垣も誘ったら来るだろう。
よし、宝くじを換金したら、みんなで行こう。
携帯で旅行プランなんか探しながら、私はいつの間にか眠りについた。
楽しい夢を期待して。
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目を開けると、青が飛び込んできた。
大きな空が、広がっていたんだ。