リアル人生ゲーム(裏)
それだけじゃない。
急に辺りが暗くなった。
あれだけ晴れていたのに、雷が鳴ったのを合図に空が曇りだしたんだ。
雨こそ降らないものの、黒い雲に空が覆われる。
心なしか、風も強くなった気が__?
「じゃ、僕も変身するよ」
そう言った天使が、金色の渦に包み込まれる。
足元のマス目は全てが裏返り、宝箱は前と同じでいくつか見受けられるが__ところどころ炎がマス目の上で燃え盛っていた。
どこか不気味な雰囲気となったボードに目を奪われていたが「じゃじゃーん!」と、姿を現した天使に、唖然として言葉も出ない。
可愛らしく光り輝いていた天使は、羽根も輪っかもなくなり、ツノを2つ生やして、長いシッポがとぐろを巻いている。
「今度は【悪魔】ってわけか?」
彰が顔をしかめる。
「そうだね。デビルくんとでも呼んでくれ」
「デビルくん__」
「それじゃ【裏・リアル人生ゲーム】を始めるよ!」
「裏?」
「そうさ、ここからが本番だよ!じゃ、君だけ2マス進んで」
天使__じゃなかった、悪魔が指差すのは未知瑠だった。
「表のゲームは君が最初にゴールしたからね。裏と表は繋がってるんだ。後のみんなはリセットになるよ。サイコロを投げる順番も、これまで通りだよ」
そう言って、亮平に向かってサイコロを投げた。