リアル人生ゲーム(裏)
「亮平、頑張って!」
私は、隣から応援する。
いきなり始まった【裏】に戸惑っているのか、亮平は「お、おぅ」と気の無い返事だ。
確かに、なんだか物々しい雰囲気ではある。
天使も悪魔になってしまったし、辺りも薄暗い。
でも__。
「亮平、大丈夫!私らにはお宝があるじゃん!」
2マス先から、未知瑠が明るく言った。
私と同じことを考えていたらしい。
こういう時、未知瑠の底抜けの明るさが救ってくれる。
「そうだ、俺たちには3億円がある」
彰も亮平の肩を叩き「親戚の兄ちゃんに換金を頼む予定だ」と、付け加えた。
1人頭、5000万だ。
その大金があれば、ちょっとくらいのことは乗り越えられる。
そもそも、悪い目が出るとは限らないんだ。
これまで通り、良いことが現実に起こる場合もある。
ううん、きっとそうだ。
「なにか良いの、一発目に頼む」
板垣も、その後ろで友美も応援している。
そういえば【表】では私が一発目に⑥を出し【100万円を拾う】に止まった。
勢いをつける意味でも、最初の1投目は大事だ。
「よし、俺に任せとけ!」
気合いを入れて、亮平が高々と投げたサイコロはころころと転がり__見事に⑥を出した。
6マス目が良い目だとは限らないが、亮平がそのマスを踏むと、下から言葉が現れる。
「なんだよ、これ」