リアル人生ゲーム(裏)
「やったじゃん!」
私も悪魔と同じリアクションだった。
未知瑠はずっと、他校の男子に片思いしていたのを私は知っている。
その恋が叶うんだ。
「ずっと好きだったもんね?」
「えっ、うん。ちょっとビックリしちゃって」
昨日の空気とは打って変わり、和やかなムードに包まれる。
立て続けに悪いことが起きた昨日とは、違う。
亮平は骨折せずに済んだし、未知瑠が良いマス目に止まった。
これで流れが変わったはずだ。
やっぱり、良いことも起きると分かったから。
「よし、じゃ俺が名誉挽回する!」
亮平がサイコロを受け取ると__また⑥を出した。
おおーっ!という歓声の中、6マス進む。
そしてまたしても、止まったマス目がめくれ上がる。
きっと、未知瑠に続いて良いことが起きるはず。
期待に胸をふくらませ、文字が現れるのを待った。
【6マス戻る】
えっ?
進んだ分、戻るの?
振り出しに戻るというわけ?
1マスずつ戻る亮平が、元のマス目を踏むと、そこからまた文字が現れる。
まさか。
うそ、よね?
そんなこと__。
うそでしょ?