リアル人生ゲーム(裏)
ぐぅ。
授業中、何度もお腹が鳴った。
友美が食べさせられそうだったドッグフードでさえ、美味しそうに思えたくらいだ。
考えるのは、食べ物のことばかり。
けれど、水を一口飲むことさえできない。
亮平を守るためだ。
お昼休み、未知瑠は「ちょっと」と教室から出て行った。
きっと新しい彼氏と会うに違いない。
だから私は1人、屋上に向かった__。
「仁科さん」
そんな声に振り返ると、階段の踊り場に由佳が立っていた。いつもの取り巻きもいる。
「なんの用?」
「用ってこともないけど、代わりに食べてもらおうと思って」
これ、と由佳が手のひらの上には、数粒のドッグフードが。
思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
「佐野さんの代わりに、食べなさいよ」
「冗談は顔だけにして」
由佳の肩を突き飛ばし、階段を登ろうと足をかけたその時、両脇から腕を掴まれた。
「は、離して!」
数人がかりで押さえつけられ、膝をつく。
髪の毛を引っ張られ、目の前の由佳が私の顎を掴んでひねる。
「食べろって言ってんだよ!」
ドッグフードを無理やり口の中に押し込まれるが、私は首を振って絶対に口を開け__。
ぱしん!
頬に熱い痛みが走り、驚いてつい口を開けてしまった。
すかさず、ドッグフードが押し込まれる。