リアル人生ゲーム(裏)
「みんな、元気だしていこー!」
いつもの屋上で、悪魔だけがハイテンションで空回りをしていた。
私たち参加者6人は、空腹と疲労感で喋る気力もない。
亮平は腕に包帯を巻いている。
その姿が痛々しく、私は見ていることができない。
視線をそらして俯いていたが__。
「亮平、ごめん」
頭を下げた。
未知瑠は黙っていたほうがいいと言ったが、やっぱり無理だ。
だって、骨折したのは私のせいなんだから。
訳を説明して「本当にごめん!」と頭を下げる。
「光莉、もういいよ」
やや投げやりな言い方だったが、亮平が許してくれたので、ようやく頭を上げる。
私に食べる気がなかったこと、無理やり食べさせられたこと、素直に謝ったことが、許してもらえた要因かもしれない。
少し場の空気が、柔らかくなった。
けれど、悪魔が発した一言で、今度はその場が凍りついたんだ。
「君が骨折したのは、彼女のせいじゃないよ?」
「えっ__?」
「彼女の他に、あえて指令を破った人がいるんだ。わざと食べた人がいる」
「それって__」
「そう、この中に【裏切り者】が潜んでいるよ」
裏切り、もの?