リアル人生ゲーム(裏)
私たちは、お互いの顔を見合わせた。
亮平が骨折するのを分かっていて、わざと食べた?
亮平が自分でそんなことをするわけがない。
そうなると、未知瑠、彰、板垣、友美。
裏切り者はこの4人の中にいる。
お腹が空いたから、つい食べてしまったのか?それとも__?
「さぁ、ゲームを始めるよー!」
悪魔が手渡すサイコロを、未知瑠が無言で受け取った。
いつもなら、元気な掛け声とともに投げるが、今回は黙ったままだ。
②を出し、2マス進む。
マス目に変わりはない。
未知瑠が、ホッと息をついた。
これまでは、マス目がめくれ上がって何かが起きることを期待していたが、今は逆だ。マス目が動けば、悪いことが起きる。とても悪いことが。
次に亮平が、自由なほうの手で投げた。
⑤を出して進む。
5マス目を踏む瞬間、頬が震えていたが、今回はセーフだった。
「とにかく、早くゴールしようぜ」
彰が、それが1番だと言いながら放ったサイコロは⑥の目が出た。
どんどんマス目を進んでいく逞しい背中を見ていると、少しだけ安心する。
そうだ、早くゴールすればいい。
このゲームを終わらせてしまえばいいんだ。