恋の宝石ずっと輝かせて
 昼休み、ユキはいつもトイラとキースと食べる。

 といっても席はそのままで、自分の机から移動しないだけだった。

 今朝は身支度に時間がかかり、ユキはきっちりとしたお弁当が作れなかった。

 簡単にハムやチーズをはさんだサンドイッチ。

 同じものをトイラとキースも食べていた。

「うわぁ、春日さん、もしかしてふたりのお弁当作ってるの」

 傍に寄ってきたミカが訊いた。

「大したものじゃないから、適当だけどね」

 サンドイッチだから、褒められたものではないとユキは苦笑いする。

「春日さんっていいな、二人の留学生と一緒に住んで、そして隣のクラスの新田君とも仲いいんでしょ。今朝一緒に歩いてたし。だけど春日さんは誰が一番好きなの?」

 ミカの思いがけない質問に、ユキは面と食らってびっくりした。

「えっ、誰って、そんな……」

 答えにつまってしまう。

 さりげなさを装いながら、トイラの耳がぴくぴく動く。

「モチロン、ボクダヨネ、ユキ」

 キースがニコニコして答えた。

 トイラの鋭い眼光がキースを捉えていた。

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