恋の宝石ずっと輝かせて
 ユキは二人と急に距離感を感じてしまう。まるで自分の周りに溝が大きく掘られて、もう橋がないと近くに行けない状態にまでなっていたようだ。

 そしてその橋もどうみつけていいのかわからない。

 ミカはユキが寂しくしている姿が愉快なのか、わざとトイラに甘えるフリをしてユキに見せ付けていた。

 それは自分にも都合のいいことだと、ミカの態度を黙って受け入れ、トイラはされるがままになっていた。

 捩れたユキとトイラの関係は最悪な方向へと進んでいくしか許されてないようだ。

 キースも見ていて辛く、口出しすらできないふたりの軋轢を感じていた。

 何を言ってもトイラは聞く耳をもたない。
 ユキは事情がわからないために説明すらできない。

 黙って見守ることしかできないキースも、ふがいなさを感じて苦しんでいた。
< 143 / 360 >

この作品をシェア

pagetop