恋の宝石ずっと輝かせて
 ひとり学校へ行っていたキースは、無事に一日が終わったことにほっとしていた。

 早く家に帰るべきか、遅く帰るべきか、放課後帰り支度をしながらキースは悩んでいた。

 その時、教室の戸口に仁が現れキースを呼んだ。

「ジン、ナンカ ヨウ?」

「あのさ、何かユキやトイラのために必要なものないかい? キースひとりじゃ、慣れない土地で、ふたりの病人の世話も大変だろう。手伝えることがないかなって思って」

「ええと、アリガトウ、ダイジョウブ、ダイジョウブ」

 本当の事を知れば仁は怒るだろう。

 キースは冷や汗をかきながら苦笑いになっていると、担任の村上先生がキースを呼んだ。

「キース、悪いんだけど、手伝って欲しいことがあるんだ。ちょっと時間あるか」

「ハイ」

 村上先生が、分厚い英語の本を取り出してキースに見せている。

 話はいつ終わるのかわからない。

 キースがすぐに帰れないのなら、自分が役に立つべきだ。

 寝込んで苦しんでいるユキを想像し、仁は心配でたまらなくなってくる。

 仁は踵を返し、ユキのことを思って急ぎ足になっていた。

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