恋の宝石ずっと輝かせて
6
半日の授業が全て終わると、トイラは猫がするように、まっすぐ机に突っ伏して伸びをしていた。
「腹減った」
あまりの空腹から、五十嵐ミカから貰ったクッキーを袋から取り出して食べようとする。
それをみたユキは、思わず取り上げた。
「ちょっと待って、トイラ」
「どうした、たかがクッキーだろ。大丈夫だよ」
ユキはどうしても何かひっかかり、クッキーをまじまじ見ていた。
形は丸く、普通に焼き上げられた、どこにでもある手作りクッキー。
匂いをかいで見ると、微かにシナモンの匂いがした。
ユキは思い切って食べてみた。
「あっ、ユキ!」
トイラは驚き、ユキの反応を気にしている。
慎重に噛み砕けば、サクサクとしていて歯ごたえよく、意外と上手に焼けて味もいい。
「あっ、美味しい」
素直にぽろっと言葉が出ていた。
「だろ、やっぱり普通のクッキーだって」
「だけど、どうして急に焼いてもってきたんだろう」
ミカは数人の女子たちと一緒に笑っておしゃべりをしている。そこにクッキーを手にしてみんなに配っていた。
近くに居た男子にも勧め、みんなからおいしいと絶賛されていた。
その様子を見れば、特にトイラとユキのために作ったというものには見えなかった。
今日は半日の土曜日。
お弁当がない分、軽く何かを食べられるように作ったのかもしれない。
ユキは悪口を言われていることは知ってるけど、ミカはまだばれてないと思っていれば、クッキーをお裾分けしてもおかしくはない。
表面だけは一応友達なのだから。
「気持ちの持ちようか」
ユキは自分の分を取り出し、もう一つ口に入れた。
半日の授業が全て終わると、トイラは猫がするように、まっすぐ机に突っ伏して伸びをしていた。
「腹減った」
あまりの空腹から、五十嵐ミカから貰ったクッキーを袋から取り出して食べようとする。
それをみたユキは、思わず取り上げた。
「ちょっと待って、トイラ」
「どうした、たかがクッキーだろ。大丈夫だよ」
ユキはどうしても何かひっかかり、クッキーをまじまじ見ていた。
形は丸く、普通に焼き上げられた、どこにでもある手作りクッキー。
匂いをかいで見ると、微かにシナモンの匂いがした。
ユキは思い切って食べてみた。
「あっ、ユキ!」
トイラは驚き、ユキの反応を気にしている。
慎重に噛み砕けば、サクサクとしていて歯ごたえよく、意外と上手に焼けて味もいい。
「あっ、美味しい」
素直にぽろっと言葉が出ていた。
「だろ、やっぱり普通のクッキーだって」
「だけど、どうして急に焼いてもってきたんだろう」
ミカは数人の女子たちと一緒に笑っておしゃべりをしている。そこにクッキーを手にしてみんなに配っていた。
近くに居た男子にも勧め、みんなからおいしいと絶賛されていた。
その様子を見れば、特にトイラとユキのために作ったというものには見えなかった。
今日は半日の土曜日。
お弁当がない分、軽く何かを食べられるように作ったのかもしれない。
ユキは悪口を言われていることは知ってるけど、ミカはまだばれてないと思っていれば、クッキーをお裾分けしてもおかしくはない。
表面だけは一応友達なのだから。
「気持ちの持ちようか」
ユキは自分の分を取り出し、もう一つ口に入れた。