恋の宝石ずっと輝かせて
 ユキが教室に戻ると、トイラが消えていた。

 慌てて探しに向かい辺りを探せば、仁と出くわした。

「ユキ、トイラを探しているのかい」

 含みを帯びた笑い。仁は自分が嫌な奴だと分かっている。でも正直に言わずにはいられない。

「うん、どこに行ったんだろう」

「かわいい女の子と歩いて、どっか行ったよ」

 ユキの驚いた顔が、仁の思う壺だった。

「かわいい女の子って、もしかして背が小さくて、チワワのようなイメージな子?」

「そういえばそんな感じだったかな」

 ユキははっとした。

 やはりミカがトイラに何か復讐をしようとしている。

「仁、二人はどっちへ行ったの?」

「学校の裏に向かって歩いてたよ」

「お願い、仁、図書室にキースが居るの。トイラに危険が迫ってるって言って裏手にすぐにつれてきて。早く!」

 ユキは血相を変えて走って行った。

「ユキ、どうしたんだよ」

 仁は首をかしげて、渋々と図書館にキースを探しに向かった。

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