恋の宝石ずっと輝かせて
──胸騒ぎがする。
ユキは一目散に走った。
躓きそうになりながらも、必死でトイラを探した。
裏山に入った直後、また胸が疼き出した。
ジークが近くに居る。
しかしトイラが心配で、自ら危険の場所に足を踏み入れていく。
胸の痣の疼きはどんどん大きくなり、痛みが増してきたとき、前方にトイラの姿を捉えた。
トイラは地面に倒れこんで赤く染まった肩を押さえている。
「トイラ!」
ミカは動けないトイラに木を振り上げ叩きのめそうとしていた。
「止めて、五十嵐さん」
ユキは思いっきりミカに体当たりすると、二人は勢いで転んで地面に横たわった。
トイラは激しく息をしてそれを見ていた。
「ユキ、来るな、逃げろ。そいつはジークに操られている。早く逃げるんだ」
「嫌よ、トイラを放って逃げられる訳がない」
ミカはユキが押し倒した衝撃でどこかで頭を打ったのか、力が尽きたのか、気を失っていた。
そのときだった、不気味な笑い声が聞こえ、さっとジークがユキの側に現れた。
ジークの左目は前回トイラに引っかかれた傷がそのまま残っていた。
「やっと、私の出番がきたようだ」
「ジーク!なんて汚い奴。関係のない人間を巻き込むなんて」
トイラが吼えた。
「関係がないだと、この子はお前を私のように憎んでたようだが。全てはこの子が自分でしたことさ。まあ多少協力してやったけどね」
「くそっ!」
怒りがトイラの体から湧き出るが、動けない事がより一層悔しくてたまらない。
ユキの傍に行くことすら困難だった。
ユキは一目散に走った。
躓きそうになりながらも、必死でトイラを探した。
裏山に入った直後、また胸が疼き出した。
ジークが近くに居る。
しかしトイラが心配で、自ら危険の場所に足を踏み入れていく。
胸の痣の疼きはどんどん大きくなり、痛みが増してきたとき、前方にトイラの姿を捉えた。
トイラは地面に倒れこんで赤く染まった肩を押さえている。
「トイラ!」
ミカは動けないトイラに木を振り上げ叩きのめそうとしていた。
「止めて、五十嵐さん」
ユキは思いっきりミカに体当たりすると、二人は勢いで転んで地面に横たわった。
トイラは激しく息をしてそれを見ていた。
「ユキ、来るな、逃げろ。そいつはジークに操られている。早く逃げるんだ」
「嫌よ、トイラを放って逃げられる訳がない」
ミカはユキが押し倒した衝撃でどこかで頭を打ったのか、力が尽きたのか、気を失っていた。
そのときだった、不気味な笑い声が聞こえ、さっとジークがユキの側に現れた。
ジークの左目は前回トイラに引っかかれた傷がそのまま残っていた。
「やっと、私の出番がきたようだ」
「ジーク!なんて汚い奴。関係のない人間を巻き込むなんて」
トイラが吼えた。
「関係がないだと、この子はお前を私のように憎んでたようだが。全てはこの子が自分でしたことさ。まあ多少協力してやったけどね」
「くそっ!」
怒りがトイラの体から湧き出るが、動けない事がより一層悔しくてたまらない。
ユキの傍に行くことすら困難だった。