恋の宝石ずっと輝かせて
6
次の日、一時間目の授業が始まろうとしていたときだった。
担任の村上先生がユキに声を掛けた。
「春日のお父さんのことで緊急な話があるそうだ。詳しいことを知らせようと、知り合いの方が今学校にきてるらしいから、すぐに職員室に行きなさい」
「えっ、何があったのかしら」
ユキは不安な面持ちで席を立ち上がり教室を出て行った。
トイラとキースは顔を見合わせる。
どちらも落ち着かず、不安げな面持ちをしていた。
ユキが職員室に行くと、その前で柴山が立っていた。
「えっ? 柴山さん? どうしてここに」
仁と組んで騒動を起こしたことで、ユキは怪訝に柴山を見ていた。
「ユキちゃん、嘘ついて呼び出してごめん。悪いんだけどちょっと話があるんだ。トイラとキースのことで」
「一体何ですか?」
「ここでは話せない。ついて来てくれないか」
柴山はさっさと歩き出し、ユキは仕方なく後を追う。
トイラを車で送ってもらったとき、雑談でこの地元で育ち、この学校の出身と教えてくれたが、出身校なことだけあって、隅々まで熟知している。
ユキはどうしたものか思案しながら、結局柴山が行くところまでついていってしまった。
「柴山さん、屋上なんかに来て、何なんですか」
「ユキちゃん、ごめんよ。どうしてもトイラとキースが、黒豹と狼だって世間に知らせたいんだ。写真ではことごとく失敗したからね。手荒だけど、ユキちゃんを利用させて貰うね」
柴山の顔つきが怖くなる。
「ちょっと待って下さい」
危機を感じたユキは逃げようとするが、徐々に柴山に追い詰められ、屋上のフェンスまで追いやられていた。
柴山が不気味に近づいてくる。何をされるのか分からず、恐怖心だけが肥大する。
柴山がユキに襲い掛かり、ユキは口を押さえつけられた。
ユキの力で払いのけられず、もみ合ううちに力が消耗していく。
一瞬の隙をつかれて、ユキの口にはガムテープが張られ、体を予めそこに用意していた縄で手際よく縛られた。
ユキは思うように抵抗することもできず、悔しさで涙がにじんでいた。
「ユキちゃん、安全は保障……できるかな。とにかくトイラとキース次第だ」
ユキは軽々と柴山の肩に担がれ、次の瞬間、底知れぬ恐怖が襲った。
次の日、一時間目の授業が始まろうとしていたときだった。
担任の村上先生がユキに声を掛けた。
「春日のお父さんのことで緊急な話があるそうだ。詳しいことを知らせようと、知り合いの方が今学校にきてるらしいから、すぐに職員室に行きなさい」
「えっ、何があったのかしら」
ユキは不安な面持ちで席を立ち上がり教室を出て行った。
トイラとキースは顔を見合わせる。
どちらも落ち着かず、不安げな面持ちをしていた。
ユキが職員室に行くと、その前で柴山が立っていた。
「えっ? 柴山さん? どうしてここに」
仁と組んで騒動を起こしたことで、ユキは怪訝に柴山を見ていた。
「ユキちゃん、嘘ついて呼び出してごめん。悪いんだけどちょっと話があるんだ。トイラとキースのことで」
「一体何ですか?」
「ここでは話せない。ついて来てくれないか」
柴山はさっさと歩き出し、ユキは仕方なく後を追う。
トイラを車で送ってもらったとき、雑談でこの地元で育ち、この学校の出身と教えてくれたが、出身校なことだけあって、隅々まで熟知している。
ユキはどうしたものか思案しながら、結局柴山が行くところまでついていってしまった。
「柴山さん、屋上なんかに来て、何なんですか」
「ユキちゃん、ごめんよ。どうしてもトイラとキースが、黒豹と狼だって世間に知らせたいんだ。写真ではことごとく失敗したからね。手荒だけど、ユキちゃんを利用させて貰うね」
柴山の顔つきが怖くなる。
「ちょっと待って下さい」
危機を感じたユキは逃げようとするが、徐々に柴山に追い詰められ、屋上のフェンスまで追いやられていた。
柴山が不気味に近づいてくる。何をされるのか分からず、恐怖心だけが肥大する。
柴山がユキに襲い掛かり、ユキは口を押さえつけられた。
ユキの力で払いのけられず、もみ合ううちに力が消耗していく。
一瞬の隙をつかれて、ユキの口にはガムテープが張られ、体を予めそこに用意していた縄で手際よく縛られた。
ユキは思うように抵抗することもできず、悔しさで涙がにじんでいた。
「ユキちゃん、安全は保障……できるかな。とにかくトイラとキース次第だ」
ユキは軽々と柴山の肩に担がれ、次の瞬間、底知れぬ恐怖が襲った。