恋の宝石ずっと輝かせて
「何をするの! この人たちは何も悪いことしていない」

 ユキは救急隊員の手を振り払ってトイラとキースを守るように立ち向かった。

「すみません。あの、その、念のため、騒がれないようにと思いまして。罪を犯したとかそんなんじゃないんですよ。市民の安全のためにということで。ご理解を頂けたら」

 警察は豹と狼だと思うと、何かに繋がずにはいられないようだった。

「別にそれで納得するのなら、俺は構わないぜ」

 トイラが喋ると、警察官は少し帯びえを見せた。

「ご協力ありがとうございます」

 お礼を言って手錠をはめる。ユキは納得がいかない。

「トイラとキースは何もしない。なぜ連れて行こうとするの。そんなのおかしい。彼らは何も関係ない」

 ユキが暴れると、周りのもが必死に押さえつける。

 それを見て、トイラは腹を立て、ユキを庇おうと立ち向かう。

「やめろ、トイラ」

 キースが押さえ込むが、それは十分周りのものを怖がらせていた。

 ユキは状況が不利になると思い大人しくなった。

「トイラ、ごめん」

 トイラとキースは警察の車に乗せられてしまった。

 この時、ふたりは大人しく、されるがままに従った。

 豹や狼の姿になって変に抵抗したら、それこそ銃で撃たれるだろう。

 ユキは狂ったようにトイラの名前を何度も叫び、トイラはユキの顔を苦しそうに見つめ返していた。

 ユキは無理やり救急車に乗せられてドアを閉められた。

 ユキの叫びが途中でと切れる。

 そしてサイレンが鳴ると同時に救急車は走り去っていった。
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