恋の宝石ずっと輝かせて
第二章 目覚め
1
襲ってきたカラスの出来事によってクラスは驚き、混乱していた。
教室の一番後ろの窓際に集中して集まる視線。
状況が飲み込めないまま異様な雰囲気だけが漂う。
その一角で、気を失ったユキを抱きかかえるトイラが、本能丸出しに死守しようとして焼き付けるように睨み返している。
何が起こっているのか理解しがたく、トイラの異常な気迫に誰もが畏怖して言葉を失っていた。
「落ち着け。ここは戦場じゃない」
我を忘れているトイラに向かってキースが小声で発した。
その直後、ころっと態度を変えて周りのものに話しだした。
「カラス、コワイ。ボクモ キゼツ シソウダッタ」
キースの言葉を皮切りに次々とカラスの話題が飛び出し、みな口々に感想を述べ合ってクラスはざわざわとし始めた。
「春日は大丈夫なのか。トイラも怪我してるじゃないか」
動揺しながら村上先生が問いかける。
ユキはピクリとも動かず、トイラに抱きかかえられている。
そのトイラの手もカラスに引っかかれた傷ができて血が出ていた。
「ホケンシツ ツレテイク」
キースが言った。
「そ、そうか。じゃあ、頼んだ。みんなも落ち着くんだ。もう大丈夫だから」
村上先生が収集をつけようと、みなに呼びかける。
いつものようにホームルームが始まり、止まっていた時間が、何事もなかったように動きだした。
トイラはユキを抱きかかえて教室を出て行く。
その後をキースが続き、様子を窺っている生徒に向かって「ダイジョウブ ダイジョウブ」と連呼していた。
襲ってきたカラスの出来事によってクラスは驚き、混乱していた。
教室の一番後ろの窓際に集中して集まる視線。
状況が飲み込めないまま異様な雰囲気だけが漂う。
その一角で、気を失ったユキを抱きかかえるトイラが、本能丸出しに死守しようとして焼き付けるように睨み返している。
何が起こっているのか理解しがたく、トイラの異常な気迫に誰もが畏怖して言葉を失っていた。
「落ち着け。ここは戦場じゃない」
我を忘れているトイラに向かってキースが小声で発した。
その直後、ころっと態度を変えて周りのものに話しだした。
「カラス、コワイ。ボクモ キゼツ シソウダッタ」
キースの言葉を皮切りに次々とカラスの話題が飛び出し、みな口々に感想を述べ合ってクラスはざわざわとし始めた。
「春日は大丈夫なのか。トイラも怪我してるじゃないか」
動揺しながら村上先生が問いかける。
ユキはピクリとも動かず、トイラに抱きかかえられている。
そのトイラの手もカラスに引っかかれた傷ができて血が出ていた。
「ホケンシツ ツレテイク」
キースが言った。
「そ、そうか。じゃあ、頼んだ。みんなも落ち着くんだ。もう大丈夫だから」
村上先生が収集をつけようと、みなに呼びかける。
いつものようにホームルームが始まり、止まっていた時間が、何事もなかったように動きだした。
トイラはユキを抱きかかえて教室を出て行く。
その後をキースが続き、様子を窺っている生徒に向かって「ダイジョウブ ダイジョウブ」と連呼していた。