恋の宝石ずっと輝かせて
「ユキ、長風呂だね」

 居間のソファーでテレビを観ながらくつろいでいたキースが振り返って声を掛けてくる。

「ねぇ、トイラは?」

「部屋じゃないの?」

「でもさっき、庭で猫とじゃれてなかった?」

「えっ? そうなの? だったら、餌でもやってたんじゃない?」

 キースはテレビ画面を見つめそっけなく言った。

「えっ、それは困る。この辺に住み着いちゃうじゃない」

 ユキはすぐさま二階へと階段を駆け上っていった。

 知らないうちに猫の餌付けされていたとは思わなかった。

 だから野良猫がたくさん寄ってくるに違いない。

 そう思ったユキは、トイラの部屋に駆けつけ、感情のままにドアを強く叩こうと手を振り上げた。

 その時、ドアが開いて、ユキは驚いてバランスを崩してつんのめっていた。

 気がついたときにはトイラの懐にすっぽりと収まっている。

「何してんだ?」

 トイラに言われ、ユキは慌てて後ろにさがった。

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