恋の宝石ずっと輝かせて
「おはよー」

 能天気にキースがやってきてテーブルについた。

 ふたりの様子がおかしい事をすぐに察知し、キースは呆れた表情を露骨に取った。

 トイラの不機嫌な態度の裏に、恐れと不安が隠れているのは分かっているが、自分まで巻き込まれるのが嫌だった。

 ユキと顔を合わせ苦笑いし、肩を大げさに竦めた。

「何か気に入らない事があると、いつも機嫌が悪くなるんだよ。気にしなくていいよ、ユキ」

「気に入らないことって何?」

 キースはこの場を取り持とうとしただけなのに、ユキは却って理由を知りたがった。

 それが一番話せないことだから、キースは返事に困った。

「んーと、それは、トイラの気質さ。昔から気難しい奴なんだ。元々、誰も寄せ付けないような気ままさがあるくせに、大役を押し付けられてさ……」

「キース、黙れ」

 トイラの凄みに、キースは即、黙り込む。
 少ししゃべりすぎたかもしれない。
 ユキを見つめ、困った表情を向けた。

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