思いは海の底に沈む【完】
雨が降っていた

血が洗い流される


捨て猫が鳴いていた



俺は猫を抱っこしてうずくまった




しばらく、落ち着くまでこうしていよう…。
明日になれば晴れる

この子猫がこれ以上濡れないようにした



俺は美代子さんの、要らない子なんだ…。
俺は美代子さんにとってもう、要らないんだ…。


もう、要らないよね。
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