思いは海の底に沈む【完】
着いたところは緑川さんの家でこの人は何でも知っているんだと思った



『送ってもらってありがとうございました!』

「手を出せ」

『?』



言われた通りに手を出すとリンゴジュースが落ちてきた


『わーい!ありがとうございま…』

ドサドサドサっ


リンゴジュースは1つではなく手に乗るだけいただいた




『こんなに良いんですか!?』

「あんまり1人で抱え込むなよ」

『…』



旦那さんはそう言うと車に素早く乗り込み去っていった



なんか、面白い人だったな…。






「ちょっと湊!なんなの今の車は!?」

『あ、乙羽さんの旦那さんが送ってくれたの』

「は…?蓮が?」


緑川さんは開いた口がふさがらない感じだった


『なんか、クールで寡黙だけどいい人だね。リンゴジュースこんなにもらっちゃったよ』

「…アタシ疲れてるのかしら?蓮が女王以外の人に優しくするなんて聞いたことないわ」


すると、だんが外に飛び出して駆け寄ってきた



「だん!早くシャワーを浴びますよ。あぁ、湊帰ったのですね」

「ねぇ、蓮って女王以外の人に最近優しいの?」

「?いいえ、若は昔から女子供であろうが扱いは雑ですよ。
先週なんかは巡回の時に太股を触った女を顔の形がなくなるまでボコボコにしてましたから」

『違う人なんじゃないかな?質問も答えてくれたし』

「…若まで丸め込むとは、流石湊。たらせない人は居ないんですね」

「そうね。湊だものね。蓮が乙羽以外に口を開くのをアタシは見たことないけど
湊は人たらしだから仕方ないわね」



え、何々?よくわかんないんだけど…。







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