狼を甘くするためのレシピ〜*
自宅に帰った蘭々は、まず朝帰りを母に詫びた。
「ごめんなさい、ママ。心配したでしょ」
夕べケイのマンションに泊まることになったのは、本当に想定外のこと。母には電話ではなくスマートホンにメッセージを送った。
『遅くなったから、友人の家に泊まるわ』、と。
電話にしなかった理由は罪悪感と気恥ずかしさ。
「大丈夫よ。ちゃんと連絡くれたじゃない。でも、恋人ができたんだったら、ちゃんと紹介してね」
フフッと笑い合う。
「パパはもう仕事に行ったんでしょ」
「行ったわよ」
「よかった。パパの小言を聞かないで済んだわ」
クスクスと母が笑う。
いつもどこかに不安を抱えているような影は、その明るい表情からうかがい知ることは出来ない。
元気な母を見て、あらためて込み上げるうれしさに胸が熱くなった。
「ごめんなさい、ママ。心配したでしょ」
夕べケイのマンションに泊まることになったのは、本当に想定外のこと。母には電話ではなくスマートホンにメッセージを送った。
『遅くなったから、友人の家に泊まるわ』、と。
電話にしなかった理由は罪悪感と気恥ずかしさ。
「大丈夫よ。ちゃんと連絡くれたじゃない。でも、恋人ができたんだったら、ちゃんと紹介してね」
フフッと笑い合う。
「パパはもう仕事に行ったんでしょ」
「行ったわよ」
「よかった。パパの小言を聞かないで済んだわ」
クスクスと母が笑う。
いつもどこかに不安を抱えているような影は、その明るい表情からうかがい知ることは出来ない。
元気な母を見て、あらためて込み上げるうれしさに胸が熱くなった。