狼を甘くするためのレシピ〜*
フロアのところどころには、ミーティング用のテーブルが設置されている。
シーンに合わせて大小さまざまあるが、月子は窓際にあるハイテーブルに向かった。
森は彼女のあとに続く。
そのテーブルに椅子はない。
どうしても座ったままの仕事が多いので姿勢を変えたいということもあるし、窓際の眺めも気に入っている。そんなこともあって、彼女はこのテーブルを選ぶことが多かった。
テーブルの前に立つと、まずひとくちコーヒーを飲んだ。
それからおもむろに月子は森に聞く。
「できたの?」
森はサウンド部に所属している。今回のプロジェクトでいえば、ゲームの中の効果音やBGMを担当するエンジニアだ。
「ええ、いくつか。ちょっと聞いてもらえます?」
森はスマートホンを取り出した。
月子は目を閉じ、耳を澄ませていくつかの音を聞いた。
「もう一度お願い」
次は窓の外に目を向け、コーヒーを飲みながら聞く。
「ひとつ目はマロン。ふたつ目はシモン。そんな感じ?」
聞き終わった彼女は、軽く首を傾げながらそう聞いた。マロンもシモンもゲームに出てくるキャラクターの名前だ。
シーンに合わせて大小さまざまあるが、月子は窓際にあるハイテーブルに向かった。
森は彼女のあとに続く。
そのテーブルに椅子はない。
どうしても座ったままの仕事が多いので姿勢を変えたいということもあるし、窓際の眺めも気に入っている。そんなこともあって、彼女はこのテーブルを選ぶことが多かった。
テーブルの前に立つと、まずひとくちコーヒーを飲んだ。
それからおもむろに月子は森に聞く。
「できたの?」
森はサウンド部に所属している。今回のプロジェクトでいえば、ゲームの中の効果音やBGMを担当するエンジニアだ。
「ええ、いくつか。ちょっと聞いてもらえます?」
森はスマートホンを取り出した。
月子は目を閉じ、耳を澄ませていくつかの音を聞いた。
「もう一度お願い」
次は窓の外に目を向け、コーヒーを飲みながら聞く。
「ひとつ目はマロン。ふたつ目はシモン。そんな感じ?」
聞き終わった彼女は、軽く首を傾げながらそう聞いた。マロンもシモンもゲームに出てくるキャラクターの名前だ。