狼を甘くするためのレシピ〜*
 思わずそう突っ込んだ。

「なんでだろうなぁー。あ、あれだ。なんか、虫になった気分にならないか? 青虫」

「やめてよ、なに言ってんの」

 アハハと笑い合いながらビールに続いて頼んだ梅サワー。

「美味いだろ? ここの焼きとり」

「うん、すっごく美味しい!」

「だろ? 沢山食えよ。 あ、払うのはお前だけどな」

 その後から日本酒になって――。


「あ、なんかすごくいい腕時計じゃないの」

「目ざといな。任せてくれよ、腕時計には命かけてるんだ」

「いのちって、アハハ」

 とても楽しかった。それは間違いない。


 お腹が痛くなるほど笑って、焼きとり屋のあとは店を変えた。


 それから――……。


『アキ。なんだお前、脱いだらすごいってやつだったんだな』

 クスクス。

『くすぐったい』

 甘いキス。
< 52 / 277 >

この作品をシェア

pagetop