グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 マロンディスが叫ぶと、兵士が数名やって来た。

「皇子様、どうかなさいましたか? 」

 驚いて兵士が訪ねると、マロンディスはディアンナを指さした。

「この女を捕えろ! 」

「え? ディアンナ様を? 」

「いいから捕らえろ! すぐにでも検察を呼ぶ、それまで閉じ込めておけ! 」

「かしこまりました」

 兵士はディアンナを捕まえた。

「なにするの! 離しなさい!  悪いのはあの女よ! 」

「うるさい黙れ! 」

 怒鳴りつけるマロンディスに、ディアンナは驚いて茫然となった。


「お前。よくも6年も俺の事を騙してくれたな! 」

「騙した? 貴方を助けた私が、騙していたって言うの? 」

「全部お前の嘘じゃないか! お前は、俺の事を助けてなんかいない! 」

  ぎゅっと、シルビアはマロンディスの腕をつかんだ。


「・・・やめて下さい皇子様。・・・」

 力ないシルビアの声に、マロンディスはハッとなった。

「もういい、お前と話しても仕方がない。事がハッキリするまで、監禁しておく。連れて行ってくれ! 」

 マロンディスに言われて、兵士達はディアンナを連れて行った。



「お母さん! 」

 追いかけてきたパティーナがやって来た。

「お母さん、怪我したの? 大丈夫? 」


 パティーナはシルビアの怪我している腕に、そっと手をかざした。

 すると、刺さっていたは破片がゆっくりと落ちて、傷口が小さくなり出血が収まってゆく・・・。

「これで大丈夫よ。後は、先生に来てもらって手当てしてもらおう」

 そう言って、パティーナはハンカチを取り出して、シルビアの腕に巻いた。
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