グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
ジュリアルの部屋に連れて来られたシルビアは、汚れてしまった服を着替えた。
可愛らしいピンク色のブラウスに、白いフレアスカート。
とてもシルビアに似合っている。
「やっぱり、貴女には可愛い服が似合っているわ。よかった、可愛い服も持っていて」
「申し訳ございません。ご迷惑をおかけして・・・」
「気にしないで。貴女に会えて、嬉しいから」
シルビアの隣に座り、ジュリアルはそっとシルビアを抱きしめた。
「・・・とっても暖かいエネルギーが、貴女から感じるわ。マロンディスを通して、ずっと同じエネルギーを感じていたの。時々、貴女の顔が見えたこともあったわ」
そっと、身体を離して、ジュリアルはシルビアを見つめた。
「ねぇ。マロンディスと、愛し合っていたんでしょう? 」
「え? ・・・あ・・・その・・・」
どう答えていいのか分からず、シルビアは俯いてしまった。
「大丈夫よ。どんな流れだったにしても、貴女とマロンディスが愛し合ってたことは分かるの。6年前、マロンディスが南グーンピアトから帰ってきて。突然、ディアンナと結婚するって言ってきた時。すごく違和感を感じていたわ。マロンディスの目は虚ろだったし、何も意志がないようだったの。パティーナが産まれたって、ディアンナが連れてきた時も。信じられなくてね。ずっと、6年の間、マロンディスは苦しんでいたわ。毎日、頭が割れそうに痛いって言っていたの。ほとんど寝込んでいたようなものよ」
私が記憶を消したせいだろう・・・。
掟とはいえ、人の記憶を勝手に消してしまう事は、こんなにも苦しめる結果になってしまうんだ・・・。
シルビアは罪悪感を感じ、辛くなった。