グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 深夜。

 マロンディスがぐっすりと眠っているところに、シルビアが足音を忍ばせてやって来た。


 スヤスヤと眠っているマロンディスを見て、シルビアの目が潤んだ。


「ごめんなさい。・・・記憶、消さなくちゃならないの・・・」


 そっと、ベッドに腰かけて、シルビアは目を閉じて、マロンディスの額に自分の額をくっつけようと近づいた。


 と・・・

「ん? 」

 ぐっすり眠っていたマロンディスが目を覚ました。

 目の前にシルビアの顔があるのが視界に入ると・・・


「っ・・・」


 突然、唇に柔らかく暖かいものを感じてシルビアは驚いて目を開いた。


 ギュッと、マロンディスに捕まえられたシルビア。


 暖かく柔らかいものは、マロンディスの唇だった。

 離れようとしても、強い力で離れられない。


 
 気づけば、そのままベッドに押し倒されていた。

 驚いた目をしているシルビアの唇に、また、マロンディスの唇が重なった。

 突き放したいのにできなくて・・・

 ただ、心地よさが伝わってくる・・・


 キスが激しくなって・・・

 首筋に降りてきて・・・


「ちょっと・・・」

 待って! と言おうとしたシルビアの唇を、マロンディスの唇がふさいだ。

 
 スルリと服を脱がされてしまい・・・


 気づけば産まれたままの姿になっていた。

 スーッと、マロンディスの細くて長い指が、シルビアの体を優しく愛撫してくれる。

 
 お互いの体か重なり、体温を感じる・・・。

 言葉を交わさなくても、気持ちが伝わってくる。

 ただ感じるまま・・・

 嫌じゃなく全てが心地よく、とても暖かいエネルギーだけを感じる。


「っ・・・」

 今までに感じたことがない心地よさだが、痛みも感じ、思わず声が漏れてしまったシルビア。

 そんなシルビアをギュッと抱きしめてくれるマロンディス。

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