グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 翌日。
 
 マロンディスとシルビアは、すっきりと目を覚ました。

 爽やかな朝を迎え、穏やかな朝を迎えた。


 だが・・・


 バタバタ・・・

 騒々しい足音がお城の中に響いてきた。


 1階のサロンに降りてきたマロンディスとシルビアは、なんだか騒々しい雰囲気に驚いていた。


「どうかしたのか? 」

 通り行く兵士にマロンディスが訪ねた。


「申し訳ございません、ディアンナ様が北の塔から逃げ出したようです」

「はぁ? どうやって? 」

「塔の中で倒れていたディアンナ様の、様子を伺うために兵士が入ったところ。突然殴らてきを失ったそうです。その隙に逃げ出したようです」


「あ! マロンディス! 大変よ! 」

 ジュリアルが血相を変えてやって来た。

「どうしたの? 姉さん」

「パティーナが手首を切られて、今病院に運ばれたわ」

「手首を切られたって、どうゆう事なんだ? 」

「誰かがパティーナの部屋に忍び込んだらしいの。落ちていたのは、果物ナイフだったって聞いているわ。部屋の中には、甘い香水の匂いが残っていたの」

 甘い香水・・・。

 それを聞いて、マロンディスはきっとディアンナの仕業だと思った。

 北の塔を抜け出し、パティーナを殺そうとした・・・。

「あいつ・・・何考えているんだ・・・」

 怒りが込みあがり、マロンディスはギュッとこぶしを握りしめた。

「皇子様・・・大丈夫ですか? 」

 傍にいたシルビアが、心配そうに声をかけると

「大丈夫だ」

 と、少し上ずる声でマロディスは答えた。



 








 
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