グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 日当たりの良い広いリビングに連れて来られたジックニーは、ふかふかのソファーに座らされた。

 初めて座るソファーに、ジックニーは驚いた目をしたが、座り心地が良くなんだか嬉しそうな顔をしている。

「ちょっと待ってて、美味しいケーキ持ってきてあげるからね」


 ランフルクは嬉しそうにキッチンへ向かった。

 大きな窓から差し込んでくる日差しがとても暖かく、ジックニーはその日差しに見とれていた。

 リビングの壁がは爽やかなクリーム色。

 大きな時計があり、写真も飾ってある。

 マロンディスが小さな頃の写真もあり、ランフルクとアドーヌに囲まれてちょっと不愛想に写っているマロンディスもいる。


 高価な食器棚には、綺麗な高級なティーカップがいくつか置いてある。

 食器棚の上に飾ってある写真は、マロンディスが産まれた頃の写真がある。

 ランフルクとアドーヌ、そしてランフルクの父ラディスも一緒に写っている。


 ジックニーはその写真が気になって、近くに行って手に取ってみた。

 嬉しそうな笑顔で写っている。

 だけど・・・


「あれ? その写真、気にいった? 」

 ティーセットとケーキをもって、ランフルクが戻ってきた。

「ごめんなさい、勝手に見てしまって」

「構わないよ」

 ティーセットとケーキをテーブルの上に置き、ランフルクはジックニーの傍に行った。

「これは、君のお父さんマロンディスが産まれた時の写真だよ」

「ねぇ。この人が、お爺さんですよね? 」

 ジックニーはラディスを指さした。

「すごいね、君は何でも知っているの? 」

「僕達は・・・死んでゆく人の魂を弔う事をしているんです。・・・お爺さんの魂は、もう、次のステージに帰っていますから。ここにはいません」

「そっか。じゃあ、僕と同じで魂の声を聞けちゃうのかな? 」

「はい・・・」

「そうゆうことね。だから、僕が伯父さんだって分かったんだね」

「はい」
< 43 / 101 >

この作品をシェア

pagetop