グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
日当たりの良い広いリビングに連れて来られたジックニーは、ふかふかのソファーに座らされた。
初めて座るソファーに、ジックニーは驚いた目をしたが、座り心地が良くなんだか嬉しそうな顔をしている。
「ちょっと待ってて、美味しいケーキ持ってきてあげるからね」
ランフルクは嬉しそうにキッチンへ向かった。
大きな窓から差し込んでくる日差しがとても暖かく、ジックニーはその日差しに見とれていた。
リビングの壁がは爽やかなクリーム色。
大きな時計があり、写真も飾ってある。
マロンディスが小さな頃の写真もあり、ランフルクとアドーヌに囲まれてちょっと不愛想に写っているマロンディスもいる。
高価な食器棚には、綺麗な高級なティーカップがいくつか置いてある。
食器棚の上に飾ってある写真は、マロンディスが産まれた頃の写真がある。
ランフルクとアドーヌ、そしてランフルクの父ラディスも一緒に写っている。
ジックニーはその写真が気になって、近くに行って手に取ってみた。
嬉しそうな笑顔で写っている。
だけど・・・
「あれ? その写真、気にいった? 」
ティーセットとケーキをもって、ランフルクが戻ってきた。
「ごめんなさい、勝手に見てしまって」
「構わないよ」
ティーセットとケーキをテーブルの上に置き、ランフルクはジックニーの傍に行った。
「これは、君のお父さんマロンディスが産まれた時の写真だよ」
「ねぇ。この人が、お爺さんですよね? 」
ジックニーはラディスを指さした。
「すごいね、君は何でも知っているの? 」
「僕達は・・・死んでゆく人の魂を弔う事をしているんです。・・・お爺さんの魂は、もう、次のステージに帰っていますから。ここにはいません」
「そっか。じゃあ、僕と同じで魂の声を聞けちゃうのかな? 」
「はい・・・」
「そうゆうことね。だから、僕が伯父さんだって分かったんだね」
「はい」