グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 ひょいとジックニーを抱きかかえると、マロンディスは感動が込みあがってきて涙が溢れてきた。


「シルビアの奴・・・2人も産んでくれていたんだ。・・・こんなに可愛い子が、もう一人いたなんて驚いたよ」

 上ずる声のマロンディス・・・。

「・・・お父さん・・・。僕の事、喜んでくれるの? 」

 不安そうな声で訪ねるジックニーを、マロンディスはギュッと抱きしめた。

「当り前じゃないか。どうして、そんな事言うんだ? 」

「だって・・・」

 ギュッと唇を噛んで、ジックニーは俯いた。

「誰がお前が産まれてきて、喜ばないって言ったんだ? そんな奴がいるなら、お父さんがぶん殴ってやる! こんなに可愛い子なのに・・・。逢えて嬉しいよ」

「本当に? 」

 涙ぐんだ目で、マロンディスを見つめるジックニー。

 そんな姿を見ていると、やっぱりまだ6歳の子供なんだと思える。

 しっかりして、大人びたジックニーだが、まだまだ甘えたい年頃である。


 マロンディスの腕の中にすっぽりと、だっこされているジックニーはとても可愛くて。

 見ているだけでもマロンディスとそっくりで、まるで生き写しのようである。


「お前は、お母さんにそっくりな性格しているんだな。もしかして、俺が迷惑だと思うと、思っていたのか? 」

「・・・違うよ。・・・僕は、お父さんを選んで産まれて来たから・・・」

「え? じゃあ、俺の事好きか? 」

「うん、大好きだよ。お母さんも、お父さんも。・・・お父さんとは、ずっと会えなかったけど。お母さんを通して、お父さんの事は見ていたから・・・」

「お前・・・何も言う事なんてない。最高だ! 」

 ジックニーを抱きしめて、とても喜んでいるマロンディスを見て、ランフルクは嬉しくなった。
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