グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
「さぁ2人共。そんな所じゃなくて、リビングに行こう。そろそろ、夕食ができるからさっ」

「おっ、そう言えばお腹すいてたんだった。すっかり忘れてた! そうだ。お前の名前は? 俺はマロンディスだよ、お父さんの名前ちゃんと覚えておいてくれよ」

「僕はジックニーです」

「ジックニーか。良い名前だな」

 嬉しくて、ジックニーに頬ずりしながら、マロンディスはリビングへ向かった。


「やれやれ、マロンディスは子供好きだからなぁ」

 喜びながら、ジックニーを抱っこしたまま連れてゆくマロンディスを見ながら、ランフルクもその後をついていった。


 

 しばらくして。

 リビングに夕食が並べられた。

 サラダや、鶏肉の唐揚げ、柔らかそうなローストビーフ、そしてジューシーなハンバーグ。

 柔らかそうなロールパンと、白いパンもある。

「ジックニー、何が食べたい? 好きなのとってやるよ」

 マロンディスが声をかけると、ジックニーは目をパチクリさせ料理を見渡した。

「ん? どうした? 好きな物なかったか? 」

「ううん。沢山あり過ぎて、どれから食べていいのか分かんなくて」

「あ、そうか。じゃあ・・・」


 迷っているジックニーに、マロンディスはジューシーなハンバーグをお皿にとって渡した。

 
 美味しそうなソースのかかったハンバーグを見ると、ジックニーはごっくんと、生唾をのんだ。

「これ、何? 」

「ん? これはハンバーグだ。ほら、おいしそうだろう? 」
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