グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
「ふーん。そっか、昨日はお父さんと一緒だったんだ、お兄ちゃん。もしかして、お父さんに甘えたくてわざと、1日早く来たんじゃないの? 」

 
 ゲッ・・・。

 なんでわかるんだ? 

 ジックニーは図星を指されたようで、赤くなった。


 そんなジックニーを見て、パティーナは納得したようだ。


「ま、いいか。約束の日は、ちゃんと護ってくれたんだから。私は、お母さんに沢山甘えたからいいもん」


 ジックニーは何を言ったらいいのか分からず、ただ、俯いたまま黙っていた。


 それから4人で、他愛ない話が始まった。

 ジックニーが、昨夜は素直に甘えてくれて可愛かった話をマロンディスが話すと、シルビアはちょっと意外そうな顔をしていた。

 地底でのジックニーは、素直じゃなく、ちょっと生意気な子供だった。

 祖母であるミネバはとても厳しく、甘やかすことがなかった。

 地底を守る事で精いっぱいのミネバは、いつも気丈にふるまっていた。

 ジックニーが産まれたことは大喜びしていたが、それを表に出すことがなく厳しいままであった。

 それもミネバなりの愛情表現だと分かっていても、ジックニーには受け入れる事が出来ず、いつも反抗した態度をとっていた。

 その為、ジックニーとミネバの仲はあまり良くなかったのだ。
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