グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
ティミスの父ジャディスが入院しているのは、グリーンピアト総合病院。
療養施設の提携病院である総合病院は、国立病院ほどではないが大きな病院である。
一命をとりとめたジャディスは、病室へ移されたがまだ意識が戻っていない。
駆けつけたティミスが傍で付き添っている。
「失礼します」
総合病院の理事長である、スフィヌがやってきた。
現在40歳になるスフィヌは、若くして総合病院の理事長に座を手に入れた。
前理事長は実の父親だったが、三年前に他界。
それからずっとスフィヌが理事長になり、病院を切り盛りしている。
活発的な女性で、見るからにボーイッシュで綺麗な栗色の髪はベリーショートにしている。
丸顔でくりっとした可愛い目に、瞳の色は綺麗な青い瞳。
背丈は中くらいで、スタイルも良い事から男性医師からはからり好感度が高いが未だに独身である。
「初めまして国王様。担当医のスフィヌと申します」
「父が、お世話になります」
「いいえ。発見が早く、一命をとりとめる事が出来ました。偶然ではございますが、私が定期診察に伺った時でして。本当に良かったです」
「はい。それで、どんな状況だったのですか? 」