グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
「マロンディス。来てくれたのか? 」
ちょっと疲れた顔で、ティミスはマロンディスを見た。
そして、マロンディスと一緒にいるジックニーを見て、きょんとなった。
「マロンディス、その子は・・・」
「あ、この子は俺の子供。パティーナの双子の兄妹(きょうだい)で、ジックニーって言うんだ。シルビアと一緒に、ずっと地底にいたんだけど。パティーナとシルビアが心配で、追いかけて来たんだって」
「そうか・・・」
ティミスは立ちあがり、ジックニーに歩み寄った。
ティミスが歩み寄ってくると、ジックニーは何故かムスッとした顔になった。
「初めましてジックニー。僕はティミス、よろしくね」
膝をついて、視線を合わせるティミスに、ジックニーはムスッとした目をしてフイッと視線を反らした。
そんなジックニーに、ティミスは、ん? となった。
「ジックニーどうしたんだ? 兄さんは、グリーンピアトの国王様だぞ。ちゃんと、挨拶しなさい」
ぎゅっと、マロンディスの袖をつかんで、ジックニーは俯いてしまった。
「人見知りするようだね。仕方ない、地底と地上じゃ環境も違うからな」
「どうしたんだよ、昨日はとっても素直だったのに」
ムスッとしてジックニーは口をとがらせている。
「気にするなマロンディス。子供の心は、繊細だからな。そのうち、慣れてくれると思うよ」
「ごめん、兄さん」
チラッと、ジックニーはティミスを見たが、何か気に入らないのかムスッとしたまま黙っている。