グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
第6章 対決・・・そして・・
その頃、国立病院では。
お昼の食器を返して、シルビアが病室へ戻ってくると・・・
「パティーナ? 」
ベッドにいたパティーナの姿がなかった。
「パティーナ? 」
トイレに入っているのかと思い、覗いてみるが姿はなく、ふと見ると窓が開いていた。
シルビアは窓辺に歩み寄ってみた。
港の方でキラリと光るもの見たシルビアは、ハッと驚いた。
港。
人気のない倉庫。
「フン・・・」
派手な真っ赤なワンピースに身を包んだディアンナが居る。
手には銃を持っている。
薄暗い倉庫の中で、ディアンナは虚ろな目をして銃口を見つめている。
「手に入れた富を、手放してたまるもんですか。もう、貧乏は嫌よ・・・」
反対の手に持っているペットボトルの水を飲み、ディアンナは怪しく笑った。
「邪魔する奴は、みーんな消してやる・・・」
銃口を見て、ニヤリと笑いを浮かべるディアンナは、まるで恐ろしい魔女のような顔をしている。
派手な格好はしているものの、睡眠不足で目の舌はクマがはっている。
いつも綺麗にしているメイクも崩れてしまって、塗りなおしている真っ赤な口紅だけが目立っている。
ディアンナがいる倉庫の前に、ジックニーが羽の生えた恐竜に乗ってやって来た。
倉庫を見上げて。ジックニーは意を決したように中へ入ろうとした。
が・・・
ガシッっと、誰かに手首をつかまれた。