グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
 家にある貴金属は全て売り払い、多額な借金も抱えていた為、食べるものはいつも粗末な物ばかりだった。
 
 服も買えないディアンナは、学校でも貴族なのにいつも同じような服ばかり着ているとバカにされていた。

 絶対にお金持ちと結婚するとと決めていたディアンナ。


 借金を背負ったまま父と母は事故で他界。

 保険金がおりてきて、借金は何とか免れたが、生活してゆくには全くお金は足らなかった。


 周りにバレないように、ディアンナは夜の商売をしていた。

 そんな時だった。

 グリーンピアトの皇子様が総合病院に入院していると耳にして、こっそり様子を見にいったのだ。


 看護師や医師の話を耳にして、マロンディスが記憶をなくしているようだと知り、それを利用しようとディアンナは決めた。


 記憶をなくして何も分からないマロンディスに、ディアンナは「貴方と私は愛し合っていて、婚約している。そして私のお腹には、貴方の子供がいる」と吹き込んだ。

 何も分からないマロンディスは、ディアンナの言いなりに信じ込んでいた。

 やった・・・これで貧乏から脱出できる! 

 ディアンナは思惑通りに事が運んで、一挙にお金持ちを通り越して王族の仲間入りまで果たしてしまったのだ。

 
 ディアンナをバカにしていた貴族達は、とんだどんでん返しに驚くばかりだった。

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