グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
「っ・・・よくもやったわね・・・」

 スッと、ディアンナの額から血が滴る・・・。

 顔だけ上げて、ディアンナはパティーナとジックニーを見た。


「殺しておけばよかったわ・・・あんたなんて・・・。間違えただけの、道具だったのに・・・」


 ウーッと、サイレンの音が近づいてきた。

 どうやら検察がやって来たようだ。



「パティーナ! ジックニー! いるのか? 」

 遠くからマロンディスの声が聞こえた。


「お父さん達、来ちゃったね」

 パティーナがジックニーを見て言った。

「うん・・・」


「ぐっ・・・。こんなことで・・・捕まってたまるもんですか! 」

 
 曲がった鉄パイプを手に取ると、ディアンナは痛みをこらえて立ち上がった、そしてパティーナを睨みつけた。

「私の気持ちが…わかるはずない! あんたなんか死ね! 」

 そう叫んで、ディアンナはパティーナめがけて鉄パイプを投げつけた。


 しかし、ふらつく足取りで投げつけられた鉄パイプは、パティーナではなくジックニーに向かって行った。


「あ! お兄ちゃん、危ない! 」

 バコッ!

 鉄パイプがジックニーにあたる寸前!

 パティーナがジックニーを庇った!


「あ・・・」


 鉄パイプはパティーナの後頭部に直撃した。


「パティーナ!! 」

 ジックニーの驚いた声が倉庫に響いた。



「ジックニー? 」


 バタバタと足音が近づいてきて、マロンディスとシルビアが駆けつけてきた。


 ディアンナは再び、その場に崩れた。
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