グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 その後。

 ディアンナは検察により逮捕された。

 パティーナ虐待、そして殺人の罪で逮捕され、極刑が下される可能性もあるとの事だ。


 ジックニーは、産まれる前にパティーナと約束していた事をマロンディスとシルビアに話した。


 6年間離れ離れになって、パティーナはマロンディスを守り、ジックニーはシルビアを守ろうと約束した。

 そして、誘拐したディアンナの事は2人で決着をつけようと決めていた。

 だが・・・

 パティーナはディアンナとの決着を、人生の最後のシナリオにしていた。

 治癒魔法で生命を消耗し、余命は残されていなかったパティーナ。

 そして最後にジックニーを庇って死ぬことも。

 みんなパティーナが決めて来た人生のシナリオであった。


 ジックニーは検察に事情を聴かれたが、ディアンナを探していたら倉庫に入ってゆくのが見えたから追いかけてきたと証言した。

 ディアンナに殺されそうになった被害者であるジックニーだが、あとは保護者であるマロンディスとシルビアが対応する事になった。



 まるで微笑んでいるような、パティーナの死顔はとても安らかである。


 ティミスもジュリアルも、パティーナの死にはとてもショックを受けている。



 お城でずっと暮らしていたパティーナは、王家のお墓に埋葬されることになった。

 家族だけでと、静かに葬儀は行われた。

 号外で国民にパティーナの死が報じられると、暫くの間、国中に悲しみの空気が漂っていた。
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