グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
「有難うな、俺を父親として選んでくれて」
「・・・僕、なんだか自分を責めてて・・・。僕なんかが生き残っていいのかな? って・・・。パティーナの方が、とっても良い子だし・・・」
「誰がそんな事を言ったんだ? 誰かに言われたなら、お父さんがそいつを殴ってやる! お父さんは、お前が居てくれて本当に良かったと思っている。お前がお母さんを守っていてくれたから、こうやって、お前にもお母さんにも合うことができたんじゃないか。・・・これからも、一緒にいてくれるよな? 」
涙がいっぱいの目で、ジックニーは頷いた。
感動が溢れる母子手帳。
もう6年経過しても、大切に保管していたようで、あまりボロボロになっていない。
それほど、シルビアは産まれた子供を大切に思っている。
いなくなったパティーナの事を、どれだけ探していたのだろう・・・。
きっと、ずっと自分を責めていたのではないだろうか?
マロンディスはそれを考えると、胸が痛んだ。
「シルビア・・・。本当にありがとう、こんなに素敵な子を産んでくれて」
傍にいたシアルビアも抱き寄せて、ギュッと抱きしめるマロンディス。
「もう離れたりしないからな。これからは、ずっと一緒だ」
シルビアはマロンディスの腕の中で、そっと頷いた。