卒業までに
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今日は卒業式。
やり残したリストにはまだチェックが入っていない項目がある。
「もー、ほんと、あんたらここまでの道のり長すぎて何度口を滑らせかけたか…」
昨日のことを報告したら、由佳が放った第一声がこれだった。
由佳はわたしからも成田からも相談を受けていたらしい。
でも、心の底から祝福してくれた。
卒業式が始まると、段々と高校生活が終わることを自覚し始め、なんとも言えない寂しさが心を支配した。
色々あった高校生活。
わたしは素直になったことで、最後の最後に幸せが待っていた。